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しっき漆器を知る

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しっき
漆器とは、

日本料理店などで見かける、
艶やかな黒・茶・朱色の
あの器のことです。

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漆(うるし)は木材と湿潤な気候に恵まれた日本で古くから使われてきた、うるしの木を掻くことで得られる乳白色樹液の天然塗料です。一般的な塗料は乾くことで定着しますが、うるしは違います。湿度の高い環境に置くことで天然酵母(ラッカーゼ)によりゆっくりと成分同士がくっつくことで固まることで剥がれにも強く、漆黒と呼ばれる独特な艶が生まれます。化学技術が進んだ現在、色合いがほぼ同等な化学樹脂製品も生まれ同じく漆器と呼ばれています。正直購入時には色合いも天然うるし製とほぼ区別がつかないでしょう。しかし樹脂製は傷がつき燻んでいく一方で、うるし塗りの器は年月を経るごとに艶(つや)が増すのです。違いは硬さ。漆は柔らかく、鉛筆で言うと2Hくらいの硬さ。そのため持つたびに指紋で磨かれ使い込むほどに艶が増す、愛着が湧く良さがあります。

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日本食に欠かせない存在であるとともに、世界に誇れる日本の伝統工芸です。その美しい艶は美術的にも評価され、一説には陶器をが “china”と訳されるように、漆器は” japan” と英訳されるほど。かの有名なマリー・アントワネットやマリア・テレジアも、ジャポニズムが持て囃された18世紀、艶やかな漆黒や蒔絵を数多く収集したという記録が残っています。

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味噌汁・ご飯が入った器を持った時「アツ!」と感じたことはありませんか? 木なら熱伝導率は陶器の1/10、樹脂(プラスチック)の半分程度のため、その心配は無用。さらに外に熱が逃げにくいということは、冷めにくいということでもあります。プロスキーヤーの三浦祐一郎氏は、エベレスト登頂に、漆器(ちょもらんま椀)を愛用されていました。使用後は雪で洗えば良い簡便さで、傷一つ付かなかったそう。-40℃の極寒でも断熱性は健在で、温かなご飯と味噌汁を楽しめたとのことです。「器を持ち上げる」という所作がある日本食だからこそ、持ち上げた時の感触にもこだわりたいですよね。

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「漆黒」と呼ばれる黒、上品ながらも鮮やかな朱色、自然を感じさせる茶色があることで、食卓に高級感が生まれます。特に“本うるし”と呼ばれる昔ながらの漆塗りは「艶」がピカイチ。樹脂(プラスチック製)と購入当時は大差がありませんが、樹脂製は傷がつき、徐々にくすんでいくのに対し、うるし塗りの器は年月を経るごとに「艶(つや)」が増していきます。また、うるし(漆)は欠けても禿げても、修理により新品同様に生まれ変わる可能性を秘めた素材です。漆器は塗っては研ぎ、を何重にも繰り返して完成します。傷が深くならないうちに研いで塗り直せば、元通りになります。さらにうるしは接着剤としても優秀で、欠けても修理可能です。陶器の金継ぎの下地も実はうるしなのです。自然由来で長く使える環境に優しい器です。

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ただ漆器を選ぶ上で、困るのはその種類の多さ。一見同じ「器」でも、お値段は10倍以上の開きがあります(下記価格はあくまで目安です)。この違いは「作成工程」と「材質」にあるのですが、この解りにくくさが漆器が嫌煙される理由の一つではないでしょうか。
分かりやすくざっくり分類したのがこちらです。見た目やフィーリングはもちろん大切ですが、その質もぜひ注目 してあげてください。

①丈夫さだけでなく使用時の触感にもこだわっています「全工程国産(木製くりぬき)」
②国産の口当たりは捨て難いがお値打ちに楽しみたい「国産(木質(樹脂+木粉) or 下地まで海外加工)」
③木製の器をコストをかけずに楽しみたい「海外産」
④利便性とコストパフォーマンスはピカイチ「樹脂製」

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昔ながらの伝統手法で仕上げた国産の木製うるし塗の品です(別名:本うるし)。手間暇かけて作られた熟練の職人により天然のうるし(漆の木からとれる樹液を加工した塗料)を重ね塗りして作成されているためこのお値段ですが、日本のこだわりの強い職人が担うことで生まれた「口当たりの良さ」「持ち上げた時の違和感のなさ」が最大の特徴です。「手にとり口をつける」という所作がある日本食だからこそ、口や手に馴染む器を使うことで、その味をダイレクトに思う存分楽しむことができます。(購入はこちら)。


そして当店の一押しがこちら。

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昔ながらの木製うるし塗は食洗機の高温洗浄時に変形する恐れがあります。その弱点を現代技術にて克服したのが当店の「夢うるし」です。こだわったのは「天然うるし100%」であること。化学物質を混ぜることなく、もともと文化財や寺社仏閣補修用に開発された手間のかかる特殊な方法でうるしを精製することで、紫外線にも強く、食器洗い機(業務用も可)にも使えるようになりました。便宜上”吹付”により塗装される溶剤、塗料等を混入した"新うるし"等々呼ばれるものの多くは化学物質が含まれていますが、こちらはゼロ。環境に優しいです。自然の恵みを最大限に活かし、漆器本来の「木のやさしさ・口当たり」を受け継いだ上で利便性にも富んだ、自慢の品です(購入はこちら)。

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テレビでも紹介されました!

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二千円を切る価格で「国産」と記載されるものは、最高級品から「木地」もしくは「塗り」をワンランクグレード落とした品になることが多いです。最高級のうるし塗りには手が届かないが、その口当たりや触感の良さをなるべく損なわず、かつお安くできないか考えて作られた品です。木地のグレードを落とす時は、木を丸ごとくりぬいたもの代わりに「木粉+樹脂」を土台に使います。木そのものであるくりぬき製品と異なり、経年劣化により端部分が崩れやすい欠点はあるものの、何より安く、木ならではの柔らかさや熱の伝わりにくさは、樹脂より優れています(購入はこちら)。一方で、塗りのグレードを落とす時は、工程の一部を海外で施すという手があります。丈夫さは劣りますが、最終工程が国内となることで、直接口につける部分の塗りは安心の国産になります(購入はこちら)。

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海外製の木製うるし塗の品です。量販店で見られる一千円程度の木製椀は大抵こちらになります。国産うるし塗りはやはり価格がネックであり、毎日使うとしても購入を悩まれる方も多いかと思います。その場合は、口当たりの良さをとるか、それとも使い勝手をとるかでおすすめする品が変わってきます。食の風味を最大限にいかす口当たりの良さをとるなら、海外製品を見てみてください。食器として使うのは日本のみですが、漆器自体はアジア各国に根付いており、こちらはそれらの国の工場にて作製したものです。日本職人の手で作られた品と比べると、その緻密さ・丈夫さは劣りますが、木の温もりは十分に感じられます(購入はこちら)。

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いわゆるプラスチックを用いた合成漆器です。100円ショップなどで売られる安価なものから、業務用の使い勝手の良さを追求したものまで多種多様です。見た目は漆器そのものですが、再現されていないのは「触感」と「経年による艶の変化」です。プラスチック製であるが故に熱伝導率が高く、特にお味噌汁を入れた場合は、手で持った時の熱さがダイレクトに伝わりやすいのが欠点です。また色合いは、購入時こそ天然うるし製とほぼ区別がつかないほどですが、うるし塗りの器は使うごとに磨かれて艶(つや)が増す一方で、樹脂製は傷がつきくすんでいきます。しかしそれをもっても有り余るのがそのコストパフォーマンスと利便性。電子レンジ・食洗機可能な品が多く、安価かつ手軽に日本の食卓を楽しめます(購入はこちら)。



上記以外にもさまざまな漆器があります。

  • しっき● 木質(木粉+樹脂)

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    木の粉を樹脂で固めた土台
    木に近い風合いを安価に楽しめます。乾燥などの気候変動に強く、冷蔵庫保管も可能です。

    >> もっと読む
    「木粉製」と呼ばれる、木の粉を樹脂と固めた土台に塗りを施したものもあります。

    原料は木ですので、木の優しさが感じられます。
    しかしながら、手にした時の軽さ、熱の伝わり方など、木製くり抜きのものとは異なります。
    一方で、乾燥などの気候の変化による反りによる破損が少ない、冷蔵庫への保管も可能、というメリットがあります。

    (>詳しくは、「木製くり抜きと木粉の違いについて」をご覧ください。)
  • ● カシュー塗り

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    装飾品の塗装に
    カシューナッツの殻から取れる塗料(現在は化学合成製造)仕上がり・質感はうるし塗りに近いが独特の匂いがあります。

  • ● 蜜蝋仕上げ

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    ナチュラルな木の風合い
    ミツバチの巣を構成しているロウから生成される天然塗料です。うるし塗りとは質感が異なり、堅牢さも欠けますが、独特のナチュラルな木の風合いがあります。

  • ● カラフルな漆器

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    合成塗料と混ぜ色合い鮮やか
    ピンクや白など、本うるしでは出せない色合いも、合成塗料を混ぜることで可能になりました。

  • ● 白木の漆器

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    白木の風合いを末長く
    漆(うるし)では不可能な完全透明な仕上げが、合成塗料なら可能です。無塗装だと傷みやすい白木が使いやすくなりました。

私たちは、大正五年に浅草合羽橋での創業以来、「専門店」として漆器を扱っております。作成工程の理解に基づいて品質を正直に提示しているだけでなく、卸売りとしての仕入れているため、お値打ち価格での購入が可能です。まずは日々使う味噌汁椀から探してみてはいかがでしょうか?

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